ピル

ピル処方

「避妊」、「緊急避妊」、および「生理日の移動」のためのピル処方をいたします。

低用量ピル(OC:Oral Contraceptives)

低用量ピルの効果

低用量ピルの避妊効果はほぼ100パーセントで、しかもとても安全です。

以前、低用量ピルの服用により、乳がんが増える可能性が指摘されていましたが、現在は否定されています。
それどころか、卵巣がんや子宮体がん、大腸がんのリスクを減少させる作用が知られていますし、月経困難症、過多月経、子宮内膜症*1、不規則な月経周期などに対する治療効果も認められています。

また、将来の妊娠に悪影響を及ぼすこともありません。
さらに、よく耳にする体重増加に関する心配も不要です。

ただ、まったく副作用が無いわけではありませんが(いちばん懸念されるのは血栓症*2のリスクです)、当院では服用禁忌(服用してはいけない条件)に触れないかどうかをよく考慮しながら、慎重に処方しておりますので、ご安心ください。

*1 子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)

子宮の内膜が、子宮以外の場所で増殖した状態。

*2 血栓症(けっせんしょう)

血管内にできた血のかたまり(血栓)が突然、血管に詰まる疾患。

アフターピル(緊急避妊薬)

避妊をしないでセックスしてしまったとか、コンドームが破けるなど避妊の失敗が起こったような場合に、妊娠を防止する方法に「緊急避妊」があります。
その最も一般的な方法が、「アフターピル(緊急避妊薬)」と呼ばれる避妊薬の服用です。

アフターピルとは、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を成分とした薬剤です。
無防備なセックスが行われた後、72時間以内に、しかもできるだけ速やかに所要量のピルを服用します。

どうして緊急に避妊ができるのかについてですが、患者様の月経周期のどの時期に、アフターピルが服用されたかによって作用の仕方は異なってきます。

例えば排卵を抑制する、受精を妨げるなどが挙げられます。
妊娠の成立とは、受精卵が子宮内膜に着床(ちゃくしょう)することを言うのですから、いったん着床してしまい、妊娠が成立してからでは、アフターピルは無効になります。

そのためアフターピルの服用時期について繰り返しますが、無防備なセックスが行われた72時間以内(3日以内)に服用しなければならないのです。

アフターピルの効果

アフターピルが妊娠を防止するとは言っても、100%というわけにはいきません。
正しく服用した場合でも、約2%に妊娠を防止できない場合があると言われています。
仮に、アフターピルが頻繁に使用されたとしても、低用量ピルを避妊目的で継続的に使用している女性に比べれば、妊娠率はかなり高くなってしまいます。
したがって、この方法は低用量ピルの代用とはなり得ないとご理解ください。
またアフターピルが本当に効いたかどうかは、服用後すぐにはわかりません。
数日ないし数週間後に月経が来て初めてわかるわけです。
もし、予定月経が一週間以上遅れたり、心配なことが出てきたりしましたら、早めにご相談ください。

アフターピルの安全性

アフターピルの安全性についてですが、世界中では、1970年代半ばから使用されて来ており、半世紀近い歴史があって、その安全性は確立されています。
ただし、低用量ピルと同様に、アフターピルについてもやはり服用してはいけない人や、慎重な使用を要する人がいますので、少しでも不安な方は遠慮無くお尋ねください。
なおアフターピルの副作用に関してですが、一時的に少し気持ち悪くなったりする程度の軽いものです。
なお、アフターピルを服用しても効果が無く、妊娠してしまった場合についてですが、今まで知られている限りでは、異常妊娠であったり、赤ちゃんに異常が出たりといった報告はありません。

生理日の移動

特別な予定が入り、生理日を何日か移動させたい方は、早めにご相談ください。
日常生活を快適に過ごすために、どうしても生理を避けたい場合というのがあります。
例えば、旅行、スポーツ、結婚式などの際に生理が重なってしまうと、非常に煩わしいものです。
そんな時はピルを飲むことで、生理日を移動させることが可能です。
生理を1週間ほど遅らせることは、それほど難しくはありません。